2010年7月12日月曜日

中村大地という棋士

中村大地は小さい頃から知っている。
うちの息子も将棋を指していたからね。
強さで言ったら、中村君がやはり強かったが、うちの息子も届かないほどの差はないと思っていた。
今もそう思ってもいい。

けれども、先の土曜日、テレビに出演する中村大地を見たときには驚いた。
完全に顔が出来上がっているのだ。
言ってしまえば、はるか向こうまで透き通ってしまったような光が差していく、そんな顔だ。
この顔になるのは大変だ。
明らかに才能と資質を感じた。

翻って、自宅で見る長男の顔。
これは、ダメだ。
中村大地と比較しようと言うのが土台無理だ。

いい顔は、いい人間との付き合いで生まれる。
これはという人間は、これはという人にしか素顔を見せない。
わが息子は、そのような敬愛に足る人と出会えるだろうか。
出会えなければ、あの腐ったような顔のまま死んでいくことになる。

責任の一端はわたしにもある。
ほったらかしすぎた。
すでに長男はわたしを軽蔑しきっている。
軽蔑すべき人間には、軽蔑される人間としてしか相対さない、酷薄な親父を知らない。
わたしは、今、息子と素顔で接する気は毛頭ない。

けれども、素顔で接したくなる日を望む。

あの中村大地の顔のひとかけらでも息子の顔に浮かぶことを願う。
詮無い願いだとは知っているが、願わずにはいられない。 

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