2007年11月19日月曜日

孫先生

ごくたまにだが、もうこれはいけないと思うとき、わたしは新宿区役所通り「気楽堂」へ出かける。
キャバクラ嬢ご推薦の指圧屋さんである。

もっともこの店をわたしが知ったのはキャバクラ嬢が教えたからではない。
この店に孫先生が移ってきたから、追いかけてやってきたのだ。

もしこの世に孫先生がいなければ、わたしの身体はずいぶん前に崩壊していたと思う。
彼はとても優秀な指圧師だ。
その証拠に新宿では名前の知られた指定暴力団の若親分が、自分の身体のこりにいたたまれず、子分衆を動員して、うまい指圧師を探させたことがある。
そのときに探し出されたのが孫先生だ。
だから、孫先生は今でもたまにその若親分の自宅を訪ねてマッサージを施すことがある。

最初のころは入念なボディーチェックをされたが、いまではほとんどないそうだ。
しかし彼は「いくらボディーチェックをしてもねえ…」と自分の右手を軽く振って見せる。
時にはその身体そのものが強力な武器である人もいるということだ。

まあ、そのようにいろいろな人に助けられてわたしは生きているのです。

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム