2008年3月1日土曜日

断酒あるいは願掛け

わたしは故あって、断酒に入っている。(飲んで身体が困ることはない。そばの人が困るだけだ。)
これは本格的なもので、同時にある願掛けにもなっている。
願掛けの掟としてなにを願っているかは公表しないが、そのことが叶うまでは一切酒は口にしない。
そのために、「シアナマイド液」という抗酒剤も手に入れている。
「powerless over アルコール」のわたしは、飲む危険性がある場合にはすかさず、わたしのうちにある強力なアルコール分解酵素を無力にするこの毒々しい液を飲むのである。
そのようにして、断酒を続ける。

そして、願掛けがあけたときには、ちびりちびりと酒をやりたいものである。
そのときには、細々とした生活を支える金の入ってくる仕組みと、優しい仲間たちが何人かそろっているはずである。
そうして、そういう生活が、ほんの百日ほど続けば、わたしは、自分の人生が幸せだったと思うに違いない。

酒のない生活が苦しいだろうと思う人がいるかもしれないが、それはない。
酒好きにもいろいろあって、わたしは酒を1滴も口に入れなければそれはそれでいいのだ。
問題は、たった1滴でも入れたその直後からの酔生夢死状態だ。
あの状態で人に迷惑をかけるためには、いくつかの細工が必要だ。
いまのわたしに何の細工もない。

その細工作りのための断酒でもある。

心ある人ならば、もう一度わたしと飲むために、飯でも食わないか。
いや、ぜんざいでもいいな。
クリームパフェでも。

ご存知だろうが、酒も最後は糖分に変わるものだから、大量の酒を飲んでいた男が、酒を止めたときには、無償に甘いものをほしがるというわけだ。

それと酔わずに過ごす長い時間のために良質な会話がほしいものだ。
会話は、自然とでもいいのかも知れない。
陶器とでも、漆器とでも、絵画とでも、詩集とでも…しかし良質でなければならない。

とにかく、いつまで続くかわからないのだから、今は願掛けが早く叶うように日々歩んでいるところさ。

で、どうだい、ぜんざいでもケーキでも団子でも飯でも散歩でもかまわないから、
誰か誘ってはくれないか。

もちろん、あなたは好きなだけ飲んでいたらいいんだからさ。

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