田村隆一のエッセイ
いろいろなことを知らないと書きはしたが、田村隆一の詩はある程度知っていた。
しかし、残念なことにエッセイを知らなかった。(ほら、見たことか、浅学者)
それで、ポツポツと読んだのだが、本好きでこれを見逃す手はないと思い、本の好きな方のため紹介しておきます。
『荒地の恋』のからみで『すばらしい世界』をまず読んだが、このエッセイは面白くはあるが、まあぱらぱらと眺めておけばいい。
もちろん時間の十分にある方なら読んでおいても悪くはないだろう。
それよりも『小さな島からの手紙』『インド酔夢行』だ。
なにしろ、闊達自在(造語だよ)、田村隆一が何ものであったのかを感じることのできるエッセイである。
読んでおいて損はない。
もっとはっきり言えば、傍に置いておくような本だ。
田村隆一は酒を飲むことばかり取りざたされるが、こういうエッセイを読むと酒は彼にとって、なにほどのこともない、ただ好きで呑んでいたに過ぎないと思う。
まあ、「好きで飲んでいたにすぎない」と言い切ったこの部分だけで、彼なら一冊のエッセイを書くのだろうが。
田村さんの文章はいい。
わたしごときものの解説はいらない。
まずもって読んで御覧なさい。
そして、彼のエッセンスを感じてみてください。
感じなければ、しばらく抱え込んでいてください。
そうして、いつか再び扉をたたけばいい。
酔眼の田村氏がそのとき、なにを言うのかを楽しみにして。
いい読み物に出会い、うれしかったので、つい一文を書いてしまいました。
みなさま、お元気でらっしゃいますか。
ラベル: 作品
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