2009年1月19日月曜日

思い出

ふと思い出す思い出がある。
柔らかな不意打ちのように襲うそれは悪いものではないし、あのときのあの人の気持ちにようやく触れることが出来るときもある。

だが、同時に思い出は自分の意志で出会いにいけることもある。

長い間寝込んでいればさまざまな魑魅魍魎も闊歩するが、それを押しのけるように自分の意志を持って出会う若い母もいる。
そのとき、若い母の愛情に抱かれた記憶も同時に幾ばくか蘇る。
そのほの温かな気分は長く続き、生きるよすがにさえなる。
それはわたしが極めてマザーコンプレックスの強い人間のせいかもしれない。
念のために書けば、わたしのマザコンは母親に強い愛情と執着を持つという意味である。

ふと思い出す思い出もあれば、こちらから出かけて会う思い出もある。
こちらから出かけ、思い出の中で会う人のことをその人がまだ自分の中に生きているという。

そういう人に救われることは知っておいたほうがいいかもしれない。
実際にはいないその人に助けられるという感覚はあなたをどこかで助けてくれるかもしれない。

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