しかし、反乱といってもなあ
シドニー・ポワチエも贔屓ならばデンゼル・ワシントンも贔屓だ。
アカデミー主演男優賞を取った初めてのアフリカ系アメリカ人がシドニー・ポワチエで、二人目がデンゼル・ワシントンだ。
しかし、シドニー・ポワチエは我が青春の女優ジョアンナ・シムカスの人生の同行者でもあるのでちょっと妬ける。
どちらかといえば年齢も近いデンゼル・ワシントンを好きだということにここではしておきたい。
そのデンゼル・ワシントンの「ジョンQ」を見た。
この映画は一種の反乱だ。
そして、思ってしまえばわれわれ善人の反乱はこういうものかもしれない。
彼は何ものかわからない社会に対して盲滅法の反乱を我が子の命のために起こしたに過ぎないのだが、しかしその矛盾に満ちた行動は、唯一、矛盾に満ちたこの世界に対する弱き卵の反乱なのだろうと思える。
しかし、なんとも切ない反乱であることよ。
ひとは、いつから、どうでもいいものを大切にするようになったのだろうか?
わたしの反乱もまたこのように哀しいものであることは覚悟せねばなるまいと思う。
ラベル: 映画
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