2009年3月18日水曜日

声を聞く努力

人の話なんぞはなんとでも作れるもので、それを馬鹿正直に信用しているから騙されたりする。
騙されるといっても詐欺に会う大きなことばかりではなく、話し手本人も知らず知らずに語ってしまう空ろなコトバというのはこの世のあちこちに氾濫していて、むしろまっとうなコトバに出会うことのほうが少ないくらいだ。

ま、だからといってあきらめることはないので、あなたの望むコトバは誰からの口から出てくる以外にはないのだから、気長に待つさ。

人の話はその内容だけを追っていては翻弄されるのが常で、内容よりもすばやくその人の声を確認する必要がある。
怪しい話になるが、声音を聞いていればその人の声がどこから出てきているか、その人の気がどの辺りにあるかわかるようになってくる。
気が上がった人の声はとても耳障りなもので、それだけで信用はでいないことがわかる。
この身が自分の耳を通して反応するというわけだ。

逆にこの人はという人の声は心地よく耳に響くし、気も十分に落ち着いて臍下丹田のあたりから発せられる何ものかと一緒に声もそこにある。

そういうコトバはあまり意味がないように思ったとしても十分に聞く価値はある。
で、どうだったかは聞いてしまったその後に自分で吟味してみればいい。
吟味といっても、なに、高みに立っているのではない。
哀しいいかな、所詮自分の身の丈に合ったことぐらいしか自分の中には入ってこないものなのだ。

そういうわけで、昨夜テレビを見ていて登場した星野直子の声といったらなかった。
星野道夫もこのような声をしていたのだろうと思う。

耳をそばだてていないと聞こえてこない声がある。

あなたにもそういう声を聞いていてほしいと思う。
そうしてその声が何をささやいているか聞き取ってほしいと思う。

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