2009年3月31日火曜日

サクラを見る



日曜日にはサクラを見ました。(上が上野、下が谷中の写真です) 

谷中霊園から上野公園へとそぞろ歩きしたのですが、あんなにも近距離でサクラの花の状態がまるで違っているのは驚きでした。

日照の問題や風の通り道やらいろいろあるのでしょうが、まず生き物のこの反応の細やかさに素直に驚いておくことにしましょう。

花の下ではたいていの人々が、何が楽しいのやら騒いでいるのですが、いっこうにわたしには実感できないでいました。
わたしは知らぬうちに遠いところまで来てしまっているのかもしれません。

なかに幼い子ども五人と夫婦のグループが小さな敷物の上で肩寄せ合う姿を見ました。
もちろんサクラを見に来ていたのでしょうが、やや暗い影の落ちた夫婦と一番上が小学生からなる五人の子どもが異様に寡黙であったのに少しぎょっとしました。
その七人はスナック菓子をほおばるだけで特に話もせず、サクラの下に、それも日陰となる場所にしばらくいて去っていったのでした。

飲み物はといえば、父親が片手に持った小さな缶コーヒーだけで、空騒ぎの喧騒はともかくそこにだけ良くも悪くも人生の時間が流れ、まだ三分咲きほどの谷中霊園サクラによく似合っておりました。

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