2009年3月10日火曜日

WBCで浮かれる最中に

もうご存知であろうが、以下のようなニュースが流された。


北朝鮮が日米韓への強硬姿勢を加速している。
人民軍総参謀部報道官は9日、「人工衛星」と主張し発射準備に動く弾道ミサイルの迎撃論について「衛星迎撃は戦争を意味する」と軍事報復を警告する声明を出した。
同日始まった米韓合同軍事演習にも「南北軍事通信網の遮断」という対抗策に出た。


いろいろと解釈されているが、人民軍参謀部から出た声明であるところが重要だ。
あの国はやる国だから、そしてまずいことに十分に追い詰められているから、この声明が軍部から出されたことに脅威を感じる。

金日成の誕生日とされる日が確か四月にある。
その日に北朝鮮が何かをする可能性が高いといわれている。
歴史は思わぬところからほころびる。

どうなるかと不安であるが、一方ではもう何でもいいという気分もある。
「希望は戦争」というくらいのものである。

ところでこれだけは確認しておかねばならないが、戦争を仕掛けるというブラフ(今回はブラフではないかもしれないが)は、外交の極端な一手段である。
こういった外交手段に訴える方法を取るのはもちろん北朝鮮に十分な問題があるわけが、一方、こちら側にも外交の失敗もある。

「戦争と平和」という本もあるぐらいで、妙に戦争はいけないよ、平和がいいよという雰囲気だけで流れていくが、戦争と平和は対義語ではない。
戦争をしていても自国が平和な国はある。
奇しくも今日はあの東京大空襲から64年に当たる日だ。

あの悪魔のように計算された空爆の火のなか、われわれに遠い血を紡いできた人々が逃げ惑い死んでいくあの日、アメリカ本土はじつに平和であったはずだ。
ニコニコ笑いながら、ワインでも飲んでいたかもしれない。

戦争していても平和は訪れるのだ。

だが、その道を選ばないのならば(自国にのみ平和をもたらすだけの戦争)、戦争を避けたいならば、十分な外交努力をする必要がある。
日本が北朝鮮にそういった外交努力をしてこなかったことは事実であり、だからこそ北朝鮮はアメリカとの一対一の対話を求めている。

もはや北朝鮮は日本など相手にしていないのだ。
そして、おそらくアメリカもミサイルの一発や二発、日本に落ちたところで動かないかもしれない。

実は大変な危機的状況にあるとわたしは感じているのだが、この国の政治家もそう思ってくれているのだろうか。
アメリカにおすがりしているだけではだめなんだよ。

独自の外交をするなかでアメリカを利用することは出来てもすがることは出来ないのだよ。

わかっているよね、それくらい、政治家、官僚たちよ。

もはや、わが国日本は戦争はおきていなくても平和ではない状態にあるのですよ。

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