2009年6月3日水曜日

三本並べてみれば




「マジェスティック」という映画を見た。
とても心にしみる映画で、そんな心にしみるなんてことはこのところなかった。

そしてその後にわかった。

「ショーシャンクの空に」(1994)
「グリーンマイル」(1999)
「マジェスティック」(2001)

みんな監督はフランク・ダラボンだった。

むかし、「グリーンマイル」を見た後に「ショーシャンクの空に」を見ておけばこの映画は見なくてもいいだろうなと思ったことがあった。
それは、監獄を題材にした映画だからふと脳裏をよぎった比較だと思っていたが、そうではなかったらしい。

「マジェスティック」をみるとき、フランク・ダラボンがどういう監督なのかがほのかに見え始めてくる。
見え始めたとき、「グリーンマイル」と「ショーシャンクの空に」を比較した自分の愚かさに行き当たる。

あの二つの作品は、比較するものではなかったのだ。

あれもこれもフランク・ダラボンの願う世界だったのだ。

ああ、こういうふうに作品は重ねていくものなのかということをダラボンに教えられた。
そして愚かなわたしはわずかながら作品とどうつきあいながら作っていくかということもダラボンに教えられた。

三本の映画を見ながらそう思う。

人の意思の表し方は、なかなかに切なくて、しかも頼りになるものだとしみじみ思う。
わたしはこの人を信用している。

最新作「ミスト」はさておいての話としておくけれど。

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