2009年7月28日火曜日

夜来香海峡


長く読み継いできた作家の本は、ついつい手にとってしまう。
圧倒的な取材力を誇った船戸氏もその影を潜めつつある。
それでもと思い、読んでいるし、ああ、船戸氏の名残は十分にあるなと思ったりもする。

それに何より彼は大作「満州国演義」を書き継いでいるのだから文句は言いたくはない。

上記の本を読むことはお勧めしないが、この中に出てくる新疆ウィグル地区のありようとそこに金のにおいを嗅ぎ取るマフィアや日本のやくざの抗争、そして、日本の農村地区にやってくる多くの中国東北部の女性たちとそれを食い物にする日本人と中国人、わたしの知らないところで多くのことが起こっている。

船戸氏にはそういう知らないことをずいぶん教えてもらった。

たとえ実際に閉じこもっていなくとも、人は多くのものから目をそらされて生きている。
それで何も困らない。
自分の身に降りかからなければ、そういった諸事情は存在しないも同じなのだからな。

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