八月の上席
池袋演芸場、八月の上席の主任は小三治と決まっている。
上席というのは、1日から10日までのことだが、この十日間を小三治は午後四時前からざっと40分か50分かけて高座を勤める。(大体そのうち三日ほどは休むのだが)
さて、その時期は小三治目当てに客が並ぶ並ぶ。
どこがそんなにいいだろうと思うのだが、その客のうちの一人がわたしなのだから文句を言う筋合いはない。
この小屋は普段は、12時くらいが開場になるが、この10日間だけは、10時前から人は並びだす。
池袋演芸場は極めて小さな小屋で席は92席、これに補助いすを足して120席とする。
後は立ち見だけれど、その立ち見もめったやたらに詰め込めはしないから、200人も入らないだろうか。
それでも場内は息苦しいほどだ。
今回の小三治は引き込みが悪くて客を十分につかみきれなかったが、噺というものは一端始めてしまったら、そのまま行くしかないもので、小三治もそのままいびつながら話しをしていき、見事客をつかみこんだ。
この人のマクラは長い。
そのマクラが見事に生きた。
演題は「馬の田楽」。
小三治は池袋で正月と8月の炎天下に口座を持つ。
また、正月にでも行ってみようかと思っている。
あの人は、いろんなことを教えてくれるんですよ。
いい加減に。
ラベル: 演芸
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