2009年11月17日火曜日

わるいやつら


寝つけられないまま松本清張「わるいやつら」を読む。
主人公の戸谷信一はわるいやつらの一人だが、殺人を始めさまざまな悪事に身を染め、かろうじてこの世に身をつなぐ彼の姿に自分の身を合わせた。
わたしは犯罪者ではないが、この世に受け入れられていないというところではまるで同じだ。
戸谷信一の哀しみは身をもってはわからないが、戸谷という主体を除いたただそこに横たわる何ともいえぬ哀しみは共有できる。
主人公戸谷に自分を同化することなく、この小説のなかに自分を見た。

ラベル:

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム