ダブルジョーカー
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この小説の手際のよさはわたしに合っている。
柳はページターナーではあるが、どこか硬質さを併せ持ち、書き込みがくどくはなく、それでいて時代の雰囲気をうまくとらえている。
そして何より中心に位置する人物、結城中佐のキャラが立っている。
どこか映像的に浮かんでくるところに柳の巧みさがある。
それと、時代設定を現代としていないところに物語の持つふくらみを感じさせる。
なぜ現代にしなかったか。
そこがセンスというもので、こういう基本的なところにはセンスがかかわってくる。
それが、届かぬ所以だ。
だれがだれに対して届かぬのかと問われるな。
いまあなたが思ったとおりである。
ラベル: 小説
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