2010年3月10日水曜日

よかったな

久しぶりに女に会う。
3月3日に乳がんの検査結果を聞くため病院へ行った女性である。
結果、乳がんではなかった。

この報告を聞く前に何回かわたしは彼女の乳がんの話を人に語った。
それも面白おかしく。
その態度が不遜だと初老の女性からなじられたこともある。

なじられた時わたしは何とまあと思った。
彼女のことをどう思っているのかと詰問されたりもした。
まったく煙たい話だと苦笑せざるを得なかった。

人の口から飛び出るコトバが本心ばかりだとでも思っているのか。
人は、ある場合にはその心根のあり方とのバランスをとるためにコトバを吐いたりする。
もちろんその際のコトバは虚飾にまみれている。
そのようにしなければ過ごせない日々もあるのだ。

女の報告に安堵して、わたしは別れた。
人間関係に大事なものは、女に限らず距離だ。
その距離を守るために嘘で作った話をしてしまうこともある。
それを露悪趣味と呼んでもいいし、ただ嘘つきと浴びせかけてもいい。

そのようにわたしは生きている。

女の仕合せに手を合わせたい。

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