マティーニへの思い
ハイロウズの「ミサイルマン」もなかなかだが、平山夢明の「ミサイルマン」もなかなかだ。
めちゃくちゃのなかにも形式美は確かにある、といったところか。
昨夜は久しぶりに「エディーズバー」を訪れた。
「エディーズバー」は吉祥寺に土屋が開いたバーだが、
その土屋はいまは銀座で店をやっているので彼のカクテルをもうここで飲むことはできない。
土屋のカクテルは最高だった。
おそらく日本きってのバーテンダーといってもいい過ぎではないだろう。
彼にわたしは多くのことを教わった。
毛利さんのレシピで作ってくれといったわたしをたしなめたのも土屋だった。
ここで言う毛利さんとはもちろん毛利隆雄のことで、名高い毛利マティーニの生みの親だ。
ここでつまらんことを書けば、わたしは「毛利マティーニ」という呼び方が好きではない。
わたしがそれを呼ぶときはいつも「毛利さんのマティーニ」だ。
あとで語る「ジルベルトマティーニ」にならばわたしは「ジルベルトスタイルでマティーニを」と頼むことにしている。
どちらも趣味の話だ。
大きな理由はない。
さて、キンキンに冷やしたブードルズとドラン・シャンベリー・ドライが必要な毛利さんのマティーニだが、
本当のことを言うともっとも必要なものは繊細かつ緻密な計算の上に立つ100回を超えるステアーだ。
そのステアーのためにはやはり毛利隆雄の指と前腕とが必要になるのかもしれない。
「毛利さんのレシピで」という発言はこいつわかっちゃいねえなと即断させるのに十分な不用意さを持っていたわけだ。
蛇足だが、ブードルズを冷凍庫で冷やす発想もまた簡単であるがゆえに特筆すべき毛利隆雄の発見であった。
ここで話はもどる。
土屋のいない「エディーズバー」のことだが、いまは林のいる「エディーズバー」となっている。
ラベル: 日常
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