2007年12月18日火曜日

相変わらず人ごみの中では…


昨日は、久しぶりに都心のほうへ向かったのだが、相変わらず、わたしは人ごみの中ではおののいてしまう。
ましてやクリスマスの雰囲気があちこちに満ちている。

まいった、まいった、と思いながら、暗い気持ちで、地下鉄に乗り込むと、わけのわからぬ会社の話、「あいつがマンションを買ったが、このタイミングで何を考えているのやら」とか「昨日の会議でよう…」とか「だから、あいつはわかっていないんだ」とかさ。

このコミコミの電車の中でさらに追い討ちをかける会話をようやく潜り抜け、目指す虎ノ門病院の最寄駅で降りてほっとひと息をつくのだが、もちろんここにも大都会東京はある。

とにもかくにも、暗い気持ちで診察を待っていたわたしは、ようやくのことで虎ノ門病院腎センターの香取先生の前へ座る。
この日は先日受けた腎臓の精密検査を聞くために来たのだが、まあそんな暗い話はいい。

ハリウッド映画にお得意の陳腐なセリフ、
「いい話と悪い話のふたつある。どっちからする?」というやつがある。

わたしの場合はこうなる。
「悪い話ともっと悪い話がある。どっちからする?」

わたしは答える。
「先生、帰っていいですか?」

香取先生、ゆったりと微笑んで、
「それは無理です。」

というわけで、ここでは悪い話だけしておくことにしよう。

わたしは、高度の脂肪肝だそうだ。
ご存知の方はご存知だろうが、アルコール性肝障害は、その障害の進行程度によって三つの段階と相成る。

アルコール性脂肪肝、アルコール性肝炎、アルコール性肝硬変。

肝硬変まで行ったら、付加逆性をともない、はいそれまでよということになる。
昔、植木等が言っていたでしょ、「はい、それま~で~よ」って。
遅かれ早かれ死ぬ。

さらに蛇足ながら、
アルコール性脂肪肝は、肝細胞内に中性脂肪がたまって肝臓が肥大した状態で、大量のアルコールを長年とり続けることで、肝臓の脂肪代謝機能が低下することによって起こる。
アルコール性肝障害の初期段階ではあるが、一般には、日本酒にして毎日3合以上を5年以上飲み続ける、それくらいやると起こることになっているから、根性は入っている疾患だ。

もちろん、これはあくまで平均的な数値で、飲み方や総量によって個人差がある。
酒量が多ければ、5年以下でも発症するし、飲酒に伴ってつまみを食べ過ぎると、同時にエネルギーの過剰摂取になり、脂肪肝の発症に拍車をかけることになる。(これは、きみ、K口さんのことね)
しかも、アルコール性脂肪肝は、だるい、疲れやすいという以外には、特に目立った症状は現れない。

わたしは何はともあれ、大量の酒を飲んできた。
したがって、天罰なのだが、幸せなことに直すことができる。
通常は、以下の三つの対策を立てる。

1 飲酒をしない
2 食いすぎない(ダイエット)
3 運動する

つまり、これ以上、脂肪肝を進ませる要因を省き、新陳代謝を向上させるべく動き回れというわけだ。

まあ、これならわたしにもできるだろう。

酒はこれからも飲むだろうが、年に数度のイベントとしよう。
それに酒を飲まないために、心療内科の田中先生から受け取った「ソラナックス(抗不安剤)」がある。

家では飲まない。外でも飲まない。ただ、それがある特殊な避けられない、自分の身体を悪くしてでさえ、飲んだほうがいいとわたしが判断するイベントのような場合は、誰かと呑む。

そのとき飲む相手は、わたしが命を削って相手をしていることを自覚していてほしい。(末筆ながら)

さて、その帰り、わたしは、ルミナリエのように装飾されたイルミネーションのなか、「新宿ミロード」に向かった。
その6Fのめがね屋に用があったので、行ったのだが、そこの店長と思しき若者の笑顔はすがすがしかった。修理を頼むわたしへの対応もみごとだった。

いやな人ごみの中へ、ただ悪い話を聞きにいっただけのわたしだが、こういううれしい話もひとつだではあるが、あったのだ。

わたしは、これを幸せと呼ぶ。

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