2008年5月29日木曜日

読書という作業

漫然と読んでいるだけではいけない(いや、それでいい)。

久しぶりに本が読めるところまで身体や心が戻ってきたので(それは戻ってきただけで、またそこに佇むだけのことだが)、ポツポツ読んでいると、やけに頭に入ってこない。

頭に入らない本を読むというのは、いわゆる本を読む行為とは少しずれていて、何ものも期待しないところがある。(教養主義のことをいっている)

緑をぬらす雨を隣に長いすに寝そべって本を読む、そういう風情が合う人の読書とは、浅ましいものではなく、雨もしめやかな空気もその紙の上にある文字たちも流れていっているのだろう。
流れていっているのは、何かを捕まえようとしているのではなく、そのなかにただ我もありということなのだろう。

いずかたも水行く途中春の暮れ

妙な読書をした夕べだったが、そこに何も期待しないことができたことに感謝したい。

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